歯とお口の健康手帳
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子どもの成長と歯2021.03.25
子どもはハイハイの4足歩行から2足歩行へと変わる頃、前歯が生えてきます。手を使って前歯で食べる習慣を身に付けましょう。かぶりつけるような物がお薦めです。手づかみ食べは目、口、腕、脳などの協調運動。食材の硬さや触感、温度などさまざまな感触を学べます。その後、奥歯が生えてきて歯が生えそろいます。この時期から前歯で噛み切り奥歯ですりつぶす機能が確立されてきます。奥歯で噛み切れないと、舌が食べ物を奥歯に送れず、しっかり噛めない状態にもなりやすくなります。3歳までの食経験は一生の味覚を左右するともいわれています。しっかりした口腔機能は周りの筋肉にも良い影響を与え発音や顔の表情を豊かにします。食事の内容や環境によって子どもの成長や心への影響も大きく変わってきます。しっかり噛むこと、忘れないでください。
(文責:市川修司)
口腔とウイルス感染症 ~口腔内を清潔に~2021.03.25
口腔内には、700種類以上の細菌が存在し、ウイルスが引き起こす疾患があります。単純疱疹や帯状疱疹、麻疹、風疹などです。口腔内の症状は粘膜に水泡形成し、口内炎となる疾患が多くあります。単純疱疹は口唇疱疹を、帯状疱疹は皮膚に神経痛用疼痛を、手足口病は手足にも水泡を形成。流行性耳下腺炎は唾液腺に有痛性の腫脹が起し、コロナウイルスは味覚障害などさまざまな症状を呈します。治療法は、口内炎などの口腔内の症状に対する対処療法です。ウイルスによっては抗ウイルス剤の内服や軟膏を使用し、全身状態の安静、免疫力の改善に努めます。予防にはうがいや手洗い、歯磨きなど正しい生活習慣が重要です。口腔内の細菌数を減らすことは、う蝕や歯周病を予防するだけでなく、全身的な感染症を予防することに。歯科医院で定期健診を受けましょう。
(文責:堤 弘明)
入れ歯のお手入れと保管方法2020.03.15
約1,000万といわれる日本人の入れ歯人口。快適に入れ歯を使い続けるためには、自分の歯と同じように手入れが必要です。ついおろそかになりがちですが、正しい方法を習慣にしてしまえば快適に使い続けることが出来ます。
入れ歯を外したら、落として割ってしまったり排水溝に流したりしないよう、洗面器などを下に置いて水で洗います。入れ歯専用ブラシがあれば理想的ですが、なければ使用してこしがなくなった一般の歯ブラシなどで洗います。歯磨剤を付けて洗うと研磨剤などで傷つけてしまいますので使用しないようにしましょう。
外した入れ歯は乾燥させると変形、ひび割れの原因になります。必ず保存容器で水に浸して保管しましょう。水は毎日交換してください。熱湯やアルコールの消毒は避け、就寝時には入れ歯洗浄剤の使用をお勧めします。入れ歯に問題がなくても半年に1回ぐらいはかかりつけ歯科医院の受診をお勧めします。
(文責:帖佐昌明)